「あっ、プロデューサー!」
「おお、真! 表に大量のチョコを積んだ
ダンプが3台とまってたぞ。アレは全部、真のファンからの贈り物か?」
「はい…、気持ちは嬉しいんですけど、本当に数は暴力ですよね…。ファンからの贈り物を捨てちゃうワケにはいかないし、かと言って貸し倉庫を借りると
一ヶ月に数百万かかるらしいし…一体どうすれば…」
頭を抱えて悩みだす真。
「やよいだ。やよいにやろう真。765プロのみんなに配りまくれば結構減らすことができると思うぞ。あと、メッセージカードとか手紙だけ抜いて、中身は街頭で配るゲリライベントでもやるか? ティッシュ配りみたいに」
「は、はい…。ご迷惑をかけてすみません…」
「じゃあ、手配してくるから待っててくれ」
「はい…って、待ってくださいプロデューサー!」
「ん? まだ何かあるのか?」
「今日はその…バレンタインじゃないですか?」
「ああ、そうだな。だから真がこんなに困ってるんだ。早くなんとかしないとな」
「うわあ! そうじゃなくてっ!」
「え? 何かおかしなこと言ったか?」
「い、いえ! プロデューサーが、ではなくてですね…その…」
「どうしたんだ? 今日の真はなんかおかしいぞ?」
「実はその…プロデューサーにあげるチョコを作ってきたんです…」
真はそう言って後ろ手に隠し持っていたチョコを、俺の前に差し出す。
「おお、真が…俺にか!?」
やっべ、真が
女の子だったの、素で忘れてた…。(汗)
でも、このことを真に言うと傷つけちゃうから、黙っていよう…。
「はい…手作りチョコは初めてだったので、あまり自信はないのですが…」
「ありがとう、嬉しいよ真」
俺はそう言って真からチョコを受け取り、包装紙を取り、中身を見ると…。
「へへ〜、ゾウの型を使って作ったチョコなんですよ!」
こ、これは
ゾウって言うか…。
持ってくる途中で溶けてしまったのか、
『チンコ』っぽい形になってしまっていた…。
そういや
『チョコ』と
『チンコ』って文字が似てるよね?
真もそれを見て愕然とする。
「つ、
ツイテルって言うなーーーっ!!!」
そう泣き叫びながら走り去っていく真。
何か思い出してはいけない
トラウマに触れてしまったのだろうか…。
俺は真の背中を眺めることしか出来なかった…。
続く。
(次の更新は2時間後です)
THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 04 菊地真